如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。擬人その1 4作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の4作品です。

擬人
如月文実
 文章を書く技法に、擬人法というのがありますが、この四コマ物語では、人ではな
い存在を、(1)〜(3)では人のように現し、(4)にてその正体をあかすという
形になっています。

残虐物語
 (1) 残虐非道な組織の人間に捕まった私は、やつらのアジトにある牢屋にぶち
こまれた。そこには、私と同じように捕まり、閉じ込められている仲間たちがいた。
やつらは時たま、牢屋の中の誰かを適当に選び、外へ出す。だがそれは釈放ではない
。残虐な死刑執行を行うためである。牢屋から出された者は生きたまま八つざきにさ
れ殺される。私は、牢屋の中からそれを見た。
 (2) ついに私の番がきた。やつは私の体に網をかけ、身動きできないようにし
た後、牢屋の外に出した。そこは息のできない空間であり、そこに長時間いるだけで
も窒息死することは確実である。だがやつは、そうなる前に私を殺すつもりで、網か
ら出した後、すばやく木でできた死刑台の上に私をのせ、はがいじめにした。私は必
死に抵抗したが、やつの力は強く逃げることはできない。そして巨大な出刃庖丁が私
の首を切り落とした。あたり一面に血しぶきが飛んだ。
 (3) 私は霊魂となり、自分の体がどうなるのかを見届けた。私の首を切り落と
したやつは、顔色ひとつ変えず次なる残虐行為を行った。皮を剥ぎ、胸から腹を真っ
二つに切り割き、はらわたと骨をえぐり取った。そして肉だけとなった私の体を薄く
切り刻んだのであった。また頭は煮えたぎった湯の中にほうりこまれた。私への殺戮
が完了した後、やつは自分の行為に満足げにニヤリと笑った。
 (4) 残虐行為はこれで終わらなかった。私の肉片は皿にもられ、頭とその煮汁
はおわんに入れられ、別の部屋に持ち込まれた。そこには別の残虐非道な人間が待ち
構えており、そいつはなんとうまそうに私を食ったのであった。食い終わった後、そ
いつは歓喜の叫びをあげた。「やはり、タイのいけづくりはうまい」。

 おれの島
 (1) おれの名前はマサ、ケンカじゃだれにも負けねえ、極道者よ。おれの勢力
下の島は広く、食い物がたくさんある。この島は、前の持ち主から力づくで奪った島
だ。この島の財産はすべておれの物。だれにもわたさねえ。侵入してくるやつは、力
づくくでたたきだしてやる。
 (2) おれの島に侵入してくるやつがいた。おれより体は小さく、見るからにひ
弱そうなやつだ。そんなやつがおれの島をあらしにくるとは、いい度胸だ。目にもの
見せてくれる。おれはやつに体当たり攻撃をしかけた。
 (3) しかしやつは、おれの島から出ていこうとはしねえ。やつはおれより弱い
はず。やつはおれの攻撃でダメ−ジを受けているはず。その証拠にさっきよりフラフ
ラシテイいる。だのになぜ、おれの島から出ていこうとはしねえ。こうなったら出て
いくまで攻撃してやる。
 (4) 突然、おれの体に激痛が走った。なにか堅い鋭利な物がおれの体にささっ
た。やろう、凶器を持っていやがったな。どんなにどんなにもがいても、凶器は体か
らとれない。おれはやつから離れることができない。そうするうちに、おれの体はは
やつと共に引き揚げられていった。そして息のできない空間に出た。そしてそこには
いままで見たことのない巨大な生物がいた。その生物はおれを見てこう言った。「や
った。あゆがつれた。」

 集団リンチ
 (1) 広いグラウンドの中央に、私は、さらし者のごとく、おかれた。周囲には
、22人にもおよぶ、死刑執行人ならぬ、集団リンチ執行人が、私を睨みつけている
。そして、グラウンドの外には、私がリンチされる姿を見にきた者たちが、まだかま
だかと、集団リンチが始まるのを待っている。私は、見せ物として集団リンチされる
のだ。
 (2) 笛が鳴るやいなや、私は、いきなり、強烈なけりを一発くらう。あまりの
衝撃に、私の体は宙に舞い、勢いよく、地面にたたきつけられた。たたきつけられる
やいなや、数人のリンチ執行人が集まってきて、よってたかって、私にけりを入れる
。一人で、何度も何度もけり転がす者。二人がかりで、交互にけり転がす者。空高く
けり飛ばして、地面にたたきつける者。ずずきをくらわす者など、集団リンチの仕方
は多種多用である。見物している者は、そんな私の姿を見て、同情するどころか、お
もしろがって騒いでいる。私は、泥まみれになって、集団リンチを絶えるしかない。
 (3) けり飛ばされた私は、鉄柱に激突、反動でふらふらと舞い上がっていると
ころへ、他のリンチ執行人がけりを入れる。今度はネットにたたきつけられた。そこ
で笛が鳴り、集団リンチは一時中断する。しかし、またすぐに、集団リンチは始まり
、私は最低、前半、後半、あわせて、90分以上の間集団リンチを受ける。     
 (4) 今回の集団リンチは、90分強で終了した。汚れを拭きとられた後、私は
また、暗い牢屋に監禁される。一緒に閉じ込められている仲間は、私を労ってくれた
。しかし、内心ではほっとしていた。なぜなら、場合によっては、何人かが、グラウ
ンドにさらされ、順序よく、けられると言うこともあるからだ。しかし、今回はそれ
がなかった。PK戦なしで、試合は終った。

 拷問
 (1) 暗い倉庫の中に監禁されていたわれわれは、一転、快晴の空の下に出され
た。しかし、われわれは解放されたわけではない。そこは、これから始まる、地獄の
拷問の行われる場なのだ。イスに腰掛けたボスが、部下にいろいろ指示を与える。部
下たちは所定の位置に分かれる。準備完了とともみ、ボスが指令を与える。
 (2) まず最初の拷問は二人が向き合い、われわれを交互に投げとばす拷問だ。
相手が受け止めてくれればいいのだが、時々、そのまま地面にたたきつけられる。い
つたたきつけられるのか。われわれは恐怖を感じる。しかし、これは単なるウオーミ
ングアップでこの後本格的な拷問が始まるのだ。
 (3) 金網牢の中にギュウギュウに押し込まれたわれわれは、一人ひとり連れ出
されるやいなや、高く放り投げられ、落ちてくるところを、金属製の棒で強打される
。そしておもいっきり、地面にたたきつけられたり、空高く飛ばされたりする。そし
て、この拷問は、続けて何度も行われる。転がっているところを拾われ、また元の位
置に投げ返される。拷問は何度も何度も繰り返される。うまく草むらに逃げ延びたと
思っても、後から必要な追跡が始まり絶対に逃げられない。
 (4) 30分ほどしてこの拷問は終わる。しかしボスは、次なる拷問の指示を、部
下たちにくだす。「よーし、ノックは終わり、次にフリーバッティングに入る」。

ーーー 四コマ物語 説明

四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?