如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。おとぎ話〜ほんとその1 3作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の3作品です。
おとぎ話〜ほんと
如月文実
 この四コマ物語は、生き物の生態を、おとぎ話風にアレンジした作品です。

  たくらんだ
 (1) 卵を生んだばかりのムクドリの巣を、じっと見つめている鳥がいた。カッ
コという鳥だ。「さてはこの鳥、自分の卵を食べようと、たくらんでいるな。」と、
ムクドリは警戒する。案の定、カッコは、巣を襲う。ムクドリは必死になってカッコ
を追い払う。そのかいあってか、カッコは、やがてどこかに飛んで行った。ホッとし
て、ムクドリは卵を見る。すると、どういうわけか、4コだった卵が5コになってい
た。しかし、色も形もみな同じようだったので、ムクドリは気にしなかった。
 (2) 卵のうちのひとつがかえった。ムクドリは、わが子の誕生を喜んだ。とこ
ろが、どうしたことか、生まれたばかりのひなが、兄弟であるはずの卵を次々と巣の
外に落としていくではないか。ムクドリは仰天した。しかし、これがわが子でなけれ
ば、すぐさま攻撃するのだが、わが子だけに攻撃するわけにはいかない。そして、こ
れは、生存競争に勝ち抜くために、ひながたくらんだことと解釈した。
 (3) ムクドリは、1羽になったひなに、せっせとエサを運んだ。エサをひとり
じめにできるひなは、ドンドン大きくなっていった。しかし、成長していく姿は、親
とまったく似ていない。おかしいなと思いつつも、ムクドリは、本能の命じるままに
エサを与え続けた。そして巣立ちの時がきたのだが、成長した子供の姿は、まぎれも
なくあのカッコそのものであった。子供が巣立って1羽になり、考える余裕ができた
時、ムクドリは、これがカッコの、タクランダったことに気がついた。  
 (4) あのムクドリの巣に、またカッコがやってきた。今度はムクドリは、カッ
コを無視している。それでカッコは、正面からどうどうと、卵を産み付けることがで
きた。しかし、カッコが去った直後、一部始終を見ていたムクドリは、サッサとカッ
コの卵を巣の外に落とした。

 ゴカイ
 (1) ある沼に、1匹の腹をすかせた小魚が泳いでいた。小魚は、今日は朝から
なにも獲物をゲットしていなかった。これまでに、5回チャンスはあった。しかし、
いつもなら、そのうち、1、2回は成功しているのだが、今日にかぎっては、いずれ
も失敗していた。いや、それだけではない。今日は、危うく5回も他の魚の獲物にな
りそうになってしまった。そういうことで、小魚は今、イライラしている。
 (2) と、その時、沼の底に横たわる、大きな岩の前で、ゴカイがゆらゆらと泳
いでいるのを発見した。「しめた」。小魚はそう思った。そして、あせる自分の気持
ちを抑えながら、周囲を見渡す。幸いにも周囲には、時分のライバルとなる魚もえさ
にされそうな魚もいない。「よし」。と思った小魚は、本日、最初のエサに突進して
いった。
 (3) ところが、ゴカイにかぶりつこうとしたその瞬間、前方にある岩の上のと
ころが、突然、上下に分かれた。そして、小魚を上下から取り囲み、包み込んでしま
った。まさに、一瞬のできごとであった。小魚は、最初、なにがどうなったのかわか
らなかったが、すぐに、これがワナであることに気がついた。そして、注意を怠った
自分を悔いたが、後悔先に立たず。
 (4) 本日5回目にして、ワニガメは、やっと獲物をゲットすることができた。
そして、また岩になりすまし、ゴカイに似た自分の舌をゆらゆら泳がせながら、誤解
してくる獲物を待つのであった。

 生存競走
 (1) 数々の生存競走を勝ちぬき、おれはついに、成虫になった。だが、人間と
は違い、ガの命は短い。残されたおれの生き方は、メスにアタックし、子孫を作るこ
とだ。それがおれの、勝利の集大成だ。
 (2) 成虫になったその日から、おれは動く。おれは夜行性で、暗闇の中、目を
使ってメスを探すのは困難だ。だがおれには、優れた嗅覚がある。これで遠くにいる
メスを探し出すことができる。お、メスのにおいがする。よし!アタック!…だめだ
、すでにオスがいて、もう卵をうむ準備をしている。うん、また別の場所からメスの
におい。よし!アタック!…おっと危ない。クモの巣だ。かわいそうにこのメスは、
クモの巣にひっかかっている。成虫になっても生存競走は厳しいということだ。
 (3) こうして、1日、2日、3日と過ぎ、ついに本日、おれの命がつきる。お
れは最後のところで、生存競走に負けてしまうのか。こうなったら、つがいのメスで
も、オスを追っ払ってアタックしてやる。そして、メスのにおいがした。猛スピード
で近づきアタック!…なんだこのネバネバした物は。メスじゃない。これは、クモの
糸じゃないか。なぜ、クモの糸が固まって空を飛ぶんだ。ああ、身動きがとれない。
ああ、墜落する…。 
 (4) 投げ縄のように飛んでガを捕らえたクモの糸。それは、文字通りの「ナゲ
ナワグモ」の造った、投げ縄タイプのクモの糸だった。糸には、ガのメスに似たにお
いがついている。こうして、アタックして捕らえたガを栄養とし、クモは生存競走の
勝利の集大成として、卵をうむ。
ーーー 四コマ物語 説明
四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?