如月 文実(きさらぎふみじつ)です。スポーツ4コマ、喜怒哀楽を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の4作品です。
スポーツ4コマ−喜怒哀楽
如月文実

 この四コマ物語は、スポーツを喜怒哀楽を通して表現した作品です。

 笑い
 (1) 今回の冬のオリンピック、じゃんぷ競技に新しいヒーローが現れた。彼の
名は栄美。オリンピックを前に、彗星のごとく現れた若干19歳の若者である。イン
タビュ−の席では、ベテラン選手に混じり、そのあどけないマスクにフラッシュが浴
びせられる。緊張してか、マイクを向けられても、うまく言葉が出ず、照れ笑いを浮
かべるだけだった。
 (2) そして オリンピック本番。ノーマルヒルにて、栄美選手の第1回目のジ
ャンプはみごとなものだった。K点をはるかに超え、まずまずの位置につけた。自分
でも納得のいくジャンプに栄美選手は、含み笑いを浮かべる。しかし第2回目のジャ
ンプでは、みごとな、失敗ジャンプで、大きく順位を下げ、納得のいかない結果に終
ってしまった。自分のふがいなさに、栄美選手は苦笑するしかなかった。
 (3) その夜、栄美選手は一人部屋にとじこもり、大好きなまんがを読んだ。ま
んがはいずれもギャグまんがで、部屋からは大きな笑い声がもれ出た。他人はどう思
うかしれないが、それが栄美選手のストレス解消法だった。次の競技に向け、栄美選
手は思い切りバカ笑いをした。 
 (4) その成果があり、次のラ−ジヒルでは、栄美選手は最高のジャンプを見せ
た。栄美選手は、初のオリンピック出場で、初の金メダルを獲得した。表彰台に立つ
栄美選手の顔からは満面の笑みがこぼれた。
 怒・怒・怒・怒!
 (1) 監督はいらいらしていた。ここのところ5連敗で、まったくいいところが
ない。今日も、前半5点もリードしていながら、7回の表、2点差まで追いつかれ、
なおもツーアウト満塁。長打が出れば逆転される。だが今、打席に入っているのは、
打撃の弱いピッチャーだ。監督は、これでアウトになり、心の中にくすぶっている怒
が収まることを願った。
 (2) セカンドの選手がベンチにもどってきたとたん、監督の怒りが爆発した。
ツーアウト満塁でセカンドゴロ。これでチェンジのはずが、一塁悪送球でランナーが
みんなホームへ返り、逆転されてしまったのだ。しかも、打ったのがピッチャーだか
ら、監督の怒りはただならない。しかし、あたりとしては一、二塁間をやぶってもお
かしくない打球だった。記録もヒットとなっている。言わばワンヒットワンエラーだ
。くそっ!なんでおれがそこまで怒られにゃならんのだ。それもこれも、あの、ピッ
チャーのくせに打ったあいつが悪い。監督の怒から発生したセカンド選手の怒は、相
手ピッチャーに向けられた。
 (3) 急遽ベンチからリリーフピッチャーがマウンドに向った。バッターの打っ
た打球がピッチャーの顔面にヒットし、たおれたのだ。マウンドに立ったリリーフピ
ッチャーは思った。威嚇するため、バッターがピッチャーをにらみつけることはある
。だがやつの目は違っていた。殺気だっていた。それに類に出た時、やつは笑ってい
やがった。さては狙ってやがったな。冗談じゃねえ。悪いのはエラーしたてめえじゃ
ねえか。くそっ!そっちがその気ならこっちも…。リリーフピッチャーに電信した怒
は、次のバッターに向けられた。
 (4) ボールがバッターのヘルメットに命中した。とたんに、グラウンド内にく
すぶっていた怒が一気に爆発し両ベンチに飛び火した。双方のベンチから選手が飛び
出し、グラウンド内で乱闘騒ぎとなっていった。そして、グラウンド内の怒は、ドド
ドドっと球場全体を包んだ。「おれたちは、ケンカを見に来たんじゃねえ!野球を見
に来たんだ!」と、怒りの声が観客から上がった。観客の怒も大爆発となった。
 なみだ
 (1) 世話になったジムの先輩が引退する。先輩は世界チャンピオンを目指して
いた。そのために日夜、血のにじむような練習をしていた。しかし、おしいところで
、その夢ははたせなかった。送別会での先輩の顔はとてもなごやかだった。先輩はも
う、全てをふっきっていたのだ。「本当は悔しくて悔しくてたまらないはずなのに…
」。その先輩の表情が勘一の心を悲しみでいっぱいにさせた。勘一の目からポロポロ
と涙がこぼれ落ちた。
 (2) 先輩の意志を継いだ勘一は練習に練習を重ねた。練習はとてもつらく、厳
しいものだった。精神的にも肉体的にも激しい苦痛を感じた。勘一は、それを歯をく
いしばってたえた。しかし、心が苦痛でいっぱいになった時には、勘一の目から涙が
にじみでた。
 (3) 世界タイトルマッチに初挑戦した勘一は、チャンピオンとほぼ互角の戦い
をした。そして結局勝負はつかず、結果は判定にもちこされた。勘一は、手応えを充
分感じていた。判定で勝てる自信はあった。しかし結果はドロー。この場合タイトル
の移動はない。「負けたわけじゃないのに。くそっ!」。勘一の心は悔しさでいっぱ
いだった。そして目から涙があふれ出た。
 (4) 勘一にとって2度目の挑戦となる世界タイトルマッチは、第7ラウンドに
、勘一のカウンターパンチが、みごとにチャンピオンの顔面にヒットした。チャンピ
オンはそのままマットに沈んだ。そして立ち上がることはなかった。勘一は、先輩と
自分の夢だった世界チャンピオンのベルトを手にした。勘一の心はうれしさでいっぱ
いで、目から滝のような大粒の涙が吹き出した。
 楽しむ
(1) パパ、ママと行く水泳教室は、とても楽しいものだった。水の上に体が浮
いた。5M、10M泳げるようになった。そしてついに、プールの端から端まで泳げる
ようになった。記録も、小学校の三、四、五年生と学年が上がるごとに、体が大きく
なっていくと共に伸びていった。1秒でも2秒でも、記録が伸びるのはリンにとって
の喜びであった。そんな娘の姿を見て、両親も喜んだ。
 (2) 中学に入るとその才能が認められ、リンは選手として本格的に泳ぐことと
なった。だがそれが、水泳を、楽しいものだけではないようにかえてしまった。自分
はちゃんとやっているつもりなのに、コーチはあれこれ文句を言う。思春期に入った
リンには、それがすなおに受け入れられず、怒りではらわたが煮え繰りかえったこと
が何度もあった。しかしそれでも、リンは休まず水泳を続けた。なぜなら、怒りを抑
え、練習をしたその先には、自己新記録という楽しみがまっていたからだ。
 (3) リンにとって大変残念な知らせがきた。オリンピックの代表枠からもれて
しまったのだ。確かに、記録は微妙な線だった。それでも一部の望みをもっていたの
だが残念な結果に終わってしまった。落胆したリンは、いままで自分ががんばってき
たことが、なんだったのかと自分を責めた。目からはぼろぼろと涙が零れ落ちた。で
も水泳をやめようなんて気持ちは少しもおこらなかった。リンは、プールに飛びこみ
、くたくたになるまで泳いだ。そして、体の中に充満した哀を水の中に流した。プー
ルから上がった後は、幾分体も心も楽になった。
 (4) それから4年後、リンはみごとオリンピックの代表選手に選ばれた。結果
としては堂々の銅メダルを獲得した。でも、記者会見では、「金メダルを取りたかっ
た。」と悔しさをあらわにした。だが、その顔は笑っていた。そして、会見の最後、
「この期間、楽しく泳げてよかった」と満足感を現した。リンはわかっていた。喜び
、怒り、哀を受け入れることにより、最後に楽しさが得られることを。
ーーー 四コマ物語 説明
四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?