如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。社会風刺その2 3作を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の3作品です。

社会風刺その2
如月文実
 ここでの四コマ物語は、四コマ物語にしては、シビヤーで、それでも四コマ物語風
な作品となっています。このような内容も、四コマ物語にて表現できるということで
す。
我芽 富利 尚 正
 (1) このたび代議士、我芽(わが)は、大臣に初入閣した。それもこれも同じ
派閥からでていた前大臣のおかげである。しかし、彼が根回しして大臣になったわけ
ではない。前大臣の失言のおかげだ。彼はうっかり公然の場で、「先の戦争は、列強
からアジア諸国を守るためのもので、侵略ではない」と、自らの持論を言ってしまっ
た。それをマスコミや諸外国からつつかれ、やむなく辞任し、派閥の順送りで自分が
大臣に入閣したのだった。彼はよく派閥内でも持論を唱えていた。しかし、身内の席
ならともかく公の席でそんなことを言うなんて、本当にバカなやつだ。おれなら絶対
そんなことは言わない。先の大臣の発言に我芽は、「それはいずれ歴史が答えを出し
てくれるだろう」と、曖昧な返事をしてその場をしのいだ。  
 (2) このたび代議士、富利(ふり)は、大臣に初入閣した。それもこれも同じ
派閥からでていた前大臣のおかげである。しかし、彼が根回しして大臣になったわけ
ではない。前大臣の失言のおかげだ。彼はうっかり公然の場で、「南京大虐殺は、で
っち上げで事実ではない」と、自らの持論を言ってしまった。それをマスコミや諸外
国からつつかれ、やむなく辞任し、派閥の順送りで自分が大臣に入閣したのだった。
彼はよく派閥内でも持論を唱えていた。しかし、身内の席ならともかく公の席でそん
なことを言うなんて、本当にバカなやつだ。おれなら絶対そんなことは言わない。先
の大臣の発言に富利は、「それはいずれ歴史が答えを出してくれるだろう。」と曖昧
な返事をしてその場をしのいだ。
 (3) このたび代議士、尚(なお)は、大臣に初入閣した。それもこれも同じ派
閥からでていた前大臣のおかげである。しかし、彼が根回しして大臣になったわけで
はない。前大臣の失言のおかげだ。彼はうっかり公然の場で、「日本は単一民族国家
だから優秀なんだ」と、自らの持論を言ってしまった。それをマスコミや諸外国から
つつかれ、やむなく辞任し、派閥の順送りで自分が大臣に入閣したのだった。彼はよ
く派閥内でも持論を唱えていた。しかし、身内の席ならともかく公の席でそんなこと
を言うなんて、本当にバカなやつだ。おれなら絶対そんなことは言わない。先の大臣
の発言に尚は、「それは誠に不適切な発言だろう」と曖昧な批判をしてその場をしの
いだ。    
 (4) このたび代議士、正(せい)は、大臣に返り咲いた。それもこれも同じ派
閥からでていた前大臣のおかげである。しかし、彼が根回しして大臣に戻してくれた
わけではない。前大臣の失言のおかげだ。彼はうっかり公然の場で、「日本の純血を
守るため、難民は絶対受け入れるべきではない」と、自らの持論を言ってしまった。
それをマスコミや諸外国からつつかれ、やむなく辞任したのだ。彼はよく派閥内でも
持論を唱えていた。しかし、身内の席ならともかく公の席でそんなことを言うなんて
、本当にバカなやつだ。その点おれは、一度失脚しながらまた大臣に返り咲いた。今
度はだいじょうだろう。  
公務員テスト
 (1) 政治改革、行政改革が叫ばれる中、ある大都市に、少し経歴のかわった知
事が誕生した。彼の名は「空」。元大手予備校の教師であり、成績の悪い学生の能力
を伸ばすスペシャリストと呼ばれていた。彼の選挙公約は、行政改革であり、成績の
よい公務員を育成することだった。
 (2) 空知事は、最初の仕事として、住民主体の、情報公開条例を出すよう、公
務員たちに指示した。そして各部署に書類を送った。すると思ったとおり、返ってき
たのは公務員を主体とした情報公開条例案だった。答えとして返ってきた書類に空知
事は、アカペンで採点を始めた。点数は0点。さらに、回答に対する
コメントと、生徒・クラス、いや、担当責任者と、その部署の名前を書き加えた、点
数の一覧表を、知事室の、よく見える所に張り出した。
 (3) この処置に公務員たちは猛反発した。公務員たちはみな1流大学の出身者
で、テストではいつも高得点をとっていた。それゆえに、0点の成績を、みんなの見
える所に張り出されるのは屈辱だった。公務員たちはみな、0点という文字を消すよ
う、知事に逼った。これにたいし空知事は、2枚のプリントを、それぞれの公務員に
渡した。1枚は、内心書と書いてあり、みんなが見ている前で手厳しいコメントを書
き、それぞれに渡した。もう1枚は追試と書いてあり文面は先に渡したいわゆるテス
トと同じであった。
 (4) 与えられた期間までに、いわゆる追試の答案が返ってきた。知事室には、
今度は、多くの百点の一覧表が張り出された。公務員たちは、ホッと旨をなでおろし
た。これ以後、公務員たちは試験の点数と内心書をよくするために、空知事のために
?住民のために…は別として、がんばるようになった。
  無難な対応
 (1) 偶然、楽太郎の家にテレビ局の世論調査の電話がかかってきた。質問内容
はお決まりで、選択方式で、「今の総理を指示するか」、「するとしたらどのような
点でか」、「しないとすればどのような点でか」であった。楽太郎は、「指示する」
、「他にだれもいないから」を選択した。だが、本当のところを言えば、これまで、
指示するとかしないとかを考えたこともなかった。ただ、このように答えておけば、
無難で楽だった。
 (2) 楽太郎の家にまた世論調査の電話がかかってきた。今度は、選挙にたいす
るアンケートだった。質問内容は、これもお決まりで、「選挙へ行きますか」、「だ
れに投票するか決めていますか」、そして決めていない場合には、選択でその理由を
問う形式だった。楽太郎は、「行きます」、「まだ決めていない」、「だれがなって
も同じなので考えていない。」と答えた。 実は、楽太郎は、次の選挙に行く気持ち
はなかった。それどころか、候補者の生江すらよく知らなかった。でも、このように
答えておけば部なんで楽だった。
 (3) 会社の同僚から、「次の選挙、だれに投票するんだ」ときかれた。楽太郎
は、「だれがなっても同じだから、投票には行かない」ときやすく答えた。すると、
彼は、しきりに選挙に行き、候補者の南部氏に投票することをうながした。そういえ
ば、彼は南部氏の支持者だった。楽太郎は一転して、「じゃあ南部氏に投票するよ。
他にいいのもいないし」と答えた。これが無難な対応だと思ったのだが、後の言葉が
よけいだった。「なんだよ。その言い方は」。彼を怒らせてしまった。この後、楽太
郎は、だんまりのポーズをとった。言いわけすると返って彼を怒らせることになるか
もしれない。ここは、だんまりを続けた方が無難だと考えた。
 (4) 会社から楽太郎係長にリストラが言いわたされた。リストラした会社の、
楽太郎係長への評価はこうだった。
 「意見を求めても通り一遍の答えしか返ってこないほと」
 「口で言っていることと原の中で想っていることに、くいちがいが見られること」
 「ご都合主義で、問題がおこるとすぐに黙りこくこと」。
 このような人材は、会社にいてもらうよりは、リストラした方が無難だと会社は考
えた。
ーーー 四コマ物語 説明
四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?