如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。スポーツ四コマ〜大相撲はサイコその1 2作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の2作品です。

スポーツ四コマ〜大相撲はサイコ その1
如月文実
 この四コマ物語は、各種スポーツで、ないそでありそな、ありそでなさそなことを
、四コマ物語風に表現した作品です。

もうひとつの 同体 
 (1) 土俵際での投げの打ち合いから、両力士が土俵を割り、新米勝負審判の琴
の国の間近に転がり落ちてきた。軍配は西方に上がる。しかし琴の国の目には、両者
の体が土につくのが同時であると見えた。琴の国はここぞとばかりに手を上げた。琴
の国は、現役時代には、横綱候補ナンバーワンであった。しかし、ここぞという時に
なるとプレッシャーがかかり、相撲が消極的になって、結局大関どまりで現役を退い
たのであった。その反省から、今場所初めて審判部に配属され、勝負審判を務めてい
る間、積極的にいこうと、心に決めていた。
 (2) 琴の国から物言いがつき、5人の勝負審判が土俵に上がり協議に入った。
琴の国は、今の一番は同体ではないかと積極的に意見を述べた。これにたいし、3人
の勝負審判は、角度が悪くよく見えなかったと答える。その後ほんの一瞬、土俵内が
沈黙する。どうやらこれで決まりそうだと思った瞬間、審判部長の光川の口が開いた
。光川はどっしりと重みのある声で、静かに、「いや、あの一番は軍配どおりだ」と
言葉を切った。光川審判部長は、現役時代は、幕内優勝20を数える大横綱であり、そ
こにいるだけで周囲の人間を圧倒するだけの威厳と風格があった。審判はみな平等の
立場ではあったが、威厳を持った光川の言葉に琴の国は腰砕けとなった。結局、軍配
どおりということで決着した。琴の国の積極性は勇み足に終わった。
 (3) そしてそれから3番後の結びの一番、またもや両者投げの打ち合いで、土
俵を割り、琴の国と光川の間に転げ落ちた。行司軍配は今度は東方に上がった。しか
しまたもや、琴の国の目には、両者の体が土につくのが同時であると見えた。しかし
、今度は先ほどの事もあり、積極的に手を上げることなど到底できない。そこで琴の
国は、光川審判部長を見た。元横綱がどういう判断をしたのかを確かめたかったから
だ。ところが、どうだろう。審判部長は物言いをつけるどころか、その頭が気持ちよ
さそうに上下にゆらゆら動いているではないか。なんと審判部長は、西方力士が大関
昇進をかけた大一番で、居眠りをしているのだ。こうなればもう、琴の国にはどうす
ることもできない。結局物言いはつかず、行司は東方力士に勝ち名乗りを上げた。
 (4) 結びの一番終了直後、相撲協会に三百本をこえる抗議の電話がかかってき
た。テレビを見ていた理事長も、「あれは、同体でもよかったのではないか」と言葉
を漏らした。これにたいし光川審判部長は、「私は軍配どおりだと確信している」と
毅然とした態度をとる反面、世間を騒がせた責任をとるため辞表を提出した。光川の
態度はあまりにも堂々としていた。この毅然とした態度に圧倒され、琴の国は、光川
が居眠りをしていたことなど、とても言えなかった。また、うそをついている元横綱
をとがめる気持ちもなかった。いやむしろ、どんな時でも堂々とした態度をとれる元
横綱を羨ましくさえ思った。そして、堂々と勝負できなかった自分を、恥ずかしいと
も思った。
* 「同体」については、文芸社発行の「四コマ物語起床転落」に掲載されてます。
               プレッシャー
 (1) 前場所優勝した大関は、今場所、綱取りに挑戦する。マスコミは、綱取り
!綱取り!と大騒ぎ。これにたいし、相撲部屋の仲間は、大関にプレッシャーをかけ
まいと気を使う。しかし、いずれにせよ、大関にはプレッシャーがかかる。そして、
場所の初日は普通でもプレッシャーがかかるのだからたまらない。結局大関は、初日
、平幕相手に黒星を付けてしまった。
 (2) しかし1つ負けたことにより、負けてはいけないというプレッシャーから
大関は開放され、リラックスすることとなる。二日目から、自分の相撲をとることに
専念できるようになった大関は、圧倒的な強さで勝ち進んでいった。そして迎えた九
日目、今日勝てば勝ちこしで、綱のチャンスもグッと大きくなる。なんとしても今日
は勝ちたい。その気負いが大関に大きなプレッシャーをかけてしまった。結局大関
、ここで手痛い一敗を喫した。
 (3) 二敗となり、綱取りのチャンスが苦しくなった大関だが、それが返ってま
た、プレッシャーから開放させることとなる。もう、ひらきなおるしかないと想った
大関はまた、本来の自分の相撲を取り戻し、勝ち進んでいった。そして一四日目、優
勝争いは、一敗の横綱を二敗の大関が追う転回となっていた。ここで勝てば、綱取り
のチャンスも、優勝のチャンスも、グッと大きくなる。しかし負けてしまえば、すべ
てがパーになる。今日は絶対に負けられない。そしてそれがまた、大きなプレッシャ
ーとなる。結局大関は関脇相手に三敗目を喫し、綱取りからも優勝からも脱落してし
まった。
 (4) そして迎えた千秋楽結びの一番。夢破れた大関と、優勝した横綱との取り
組みである。一人横綱の重責をはたし、優勝して余裕綽々の横綱と、それを目の前に
、「こんちくしょう。絶対に負かしてやる」と、闘志と気合充分の大関とが対戦する
。結局大関は、今場所最高の相撲で横綱に土を付けた。
ーー 四コマ物語 説明
四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?