如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。おとぎ話その3 3作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の3作品です。

おとぎ話その3
如月文実
 この四コマ物語は、おとぎ話を四コマ物語の形式にて表現したものです。
ざしきわらし
 (1) 太郎のおっかあが死んでしまった。太郎のおっかあは信心深い人で、朝晩
かかさず、ざしきわらしの像に手を合わせていた。死ぬまぎわまでおっかあは、像を
拝んでいた。そして息をひきとる前、自分のかわりに、家を守ってくれるざしきわら
しを朝晩拝めと太郎に言い残した。しかし太郎は、おっかあの言い付けを守らなかっ
た。おっかあの命を守れなかったざしきわらしを信用できなかった。それに、神様に
頼らなくとも、自分の力だけでやっていけると思っていた。太郎はざしきわらしの像
を川に捨てた。
 (2) その夜、夢枕にざしきわらしが現れた。ざしきわらしは、おっかあの言い
付けを守り、自分を川から戻して拝むように言った。しかし、太郎は拒否した。する
と、次の日から太郎の店の客足がピタッと止まり、店はつぶれてしまった。
 (3) 太郎の夢枕にまた、ざしきわらしが現れた。ざしきわらしは、心を入れ替
えて、自分を川から戻し拝むように言った。しかし太郎は、またも拒否した。たとえ
店がつぶれても自分には頑丈な体がある。裸一貫でやり直せると思ったからだ。する
と次の日から太郎は病気となり、ドンドン体が衰えて行った。
 (4) 太郎の夢枕に、また神様が現れた。しかしそれはざしきわらしではなく、
死神だった。太郎は死神に引かれるままあの世へと旅立った。そして、あの世への門
の前では、2人の神様が立っていた。そして、「おまえもおっかあの言い付けを守っ
ていればおれたちの出る幕もなかったのになあ」と声をかけた。貧乏神と疫病神だっ
た。

               まぐろの恵方巻
 (1) 時は平成科学の世。神様なんて、そりゃ迷信だとかたづけられてしまうご
時世。神奈川県三浦市ですし屋をいとなむ親方もその口でした。正月は、近くの神社
すらいかず、家でゴロゴロ。1月の3連休には、家族で大阪に旅行と、人生を楽しん
でおりました。ところが、旅行から帰ったその日の夜、娘が高熱を出し寝こんでしま
いました。あちらこちらと病院を訪ねて回りましたが、その原因はわからず、熱も下
がりません。
 (2) 普段、神様を信じない者も、どうしようもなく苦しくなると、神様に頼っ
てしまうのが人情。親方は、名医を探しながらも近所の海南神社や三浦七福神をめぐ
り、願をかけます。すると、ある日、七福神が夢枕に立ちました。そして、娘の熱の
原因は、大阪に行った時、悪いオニが娘に取り付いたためだと教えてくれました。ま
た、おにを退治する方法として、関西にて節分の日に食べる「恵方巻き」を食べさせ
ればよいと、その作り方も含めて教えてくれました。
 (3) 目が覚めた時、親方は、「ほんとかなあ?」とも思いましたが、藁おも掴
む思いであったし、今日はちょうど節分、それに、紹介された恵方巻きの具に、三浦
特産のまぐろ、たくあんがあり、すし職人としての血も騒いだので、作って娘に食べ
させました。
 (4) すると不思議なことに熱は下がり、娘はたちまち元気になりました。それ
でもやはり、信仰心のなかった親方は、「ほんとかなあ?」と思いましたが、やはり
、現実に娘がよくなったので、それからは正月には三浦の神様を信仰することとなり
ました。また、このまぐろの恵方巻きは、後に、節分の三浦の名物となり、地域の振
興に役立つこととなりました…てな ことに なったら いいのになあ。
                 神の動き
 (1) 江ノ島にある杉山神社に、一人の視覚障害を持つ青年がやってきた。彼は
按摩、鍼、灸を職業とする者で、技術向上の祈願をしにきたのだ。生前、人間であっ
たころ私も、江ノ島弁財天様に祈願をした。今は神様となった杉山和一は当時を懐か
しく振り返った。それで、つい最近できた日帰りの温泉施設に彼を呼び寄せてやるこ
とにした。ところが、この施設の職員は、目の見えぬ者に対する接客態度がよくない
。まったく無視という感じだ。我が江ノ島の地の施設でこれは非常にまずい。そこで
杉山は、施設を利用していた一人の客に乗り移り、職員がちゃんと配慮するよう、支
配人に求めた。
 (2) ところが、この施設の支配人は、目先の利益しか見えないわからず屋だっ
た。苦情を真摯に受けとめ、それで職員の資質向上を計れば、回り回って他の客の評
判もよくなり、利益も上るのだが、単純に視覚障害者お断りという手段をとった。「
これはいかん」。そう思った杉山は、今度は視覚障害者の要求活動を行っている一団
を呼び寄せた。
 (3) だが、この支配人はどこまでもわからず屋だった。説明には耳を傾けず、
後日出した要望書には目もくれず無視するのみ。あげくのはてには今後パンフレット
に、視覚障害者お断りの文言を入れ、話もできないようにすることを打ち出した。
 (4) ここまできたらもう救いようがない。杉山は一連の事件をマスコミに報道
されるよう仕向けた。そして社会的制裁を受けた会社は、ようやく考え方を改めた。
だが、支配人をはじめ、従業員たちの考え方は本当に改まったのであろうか?弁財天
様とも相談したが、この先神がどう動くかは、彼らがこの先どう動くかでおのずと決
まる。
ーーー 四コマ物語 説明
四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?