如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。 ひろちゃんの目 3作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の3作品です。

ひろちゃんの目
如月文実
 この四コマ物語は、ひろちゃんという、3歳児の子供の視線に立って書いた作品で
す。

でんわのおうたい
 (1) 電話のベルが鳴った。ママはゆっくりと電話のある部屋に向かう。そのマ
マを、さっそうと追い越して行ったのがひろちゃんだった。「ひろちゃん、でる」。
掛け声も勇ましく、ひろちゃんは電話に向かってまっしぐらに走る。そして、電話の
所にたどりつくと、勢いよく受話器をとり、こう言った。「もしもし、ひろちゃんよ
」。ママは慌ててひろちゃんから受話器を取り、先方に、小さな娘の無作法を謝った
。この後、ひろちゃんがママに叱られたことはいうまでもない。
 (2) 次の日、ママはおもちゃの電話機を買ってきた。そして遊びを通じ、ひろ
ちゃんに、電話の応対の仕方を教えた。「ジリリリリン」「もしもし、ひろちゃんで
す」「ひろちゃん、違うでしょ。電話をとった時にはもしもしじゃなくて『はい』っ
て言うのよ。それに、『ひろちゃん』じゃなくて、『江川』って名字を言うの。わか
った?」「ジリリリリン」「はい、江川です」「そうよ、ひろちゃんよくできたわね
。えらいわ。もう一度やってみて」。こうして、ちゃんと電話の応対ができるように
なったひろちゃんは、ママにも褒められ、とてもうれしくなった。そして本当の電話
がかかってくるのを待ち望んだ。
 (3) ついに、ひろちゃんお待ち兼ねの電話のベルが鳴った。と同時に、「ひろ
ちゃん、でる」とひろちゃんはさっそうと電話のほうへまっしぐらに走る。「はい、
江川です」。今度はちゃんと言えた。「おおっ、ひろちゃんか、ちゃんと電話の応対
ができるんだね。えらいなあ」。電話は山倉のおじさんからで、受話器はひろちゃん
からママにバトンタッチされる。電話が終わった後、ひろちゃんはママからも褒めら
れた。ひろちゃんはまたうれしくなった。
 (4) それから数日後、ひろちゃんは、ママと一緒に山倉のおばさんの家に遊び
に行った。部屋でみんなでわいわい話している時、電話のベルが鳴った。山倉のおじ
さんが受話器をとろうとしたその時、「ひろちゃん、でる」とおじさんを制し、さっ
そうとひろちゃんが受話器をとった。そして、元気良く、「はい、江川です」。みん
なドッと笑った。

こたつのテーブル
 (1) ひろちゃんが、お外からおうちに戻ってきた時、居間にこたつが出ていた
。細菌めっきり寒くなってきたので、ママがこたつを出したのだ。しかし、ひろちゃ
んの体は、お外でたくさん走り回って来たので、ポカポカしていた。そして、こたつ
のテーブルは、ひろちゃんがすわるのに、ちょうどいい高さだった。ひろちゃんは、
こたつのテーブルにおいてあったみかんを一つとり、テーブルの上に座った。
 (2) それを見付けたママは、ひろちゃんをしかった。しかし、ひろちゃんは、
ママにしかられた意味がよくわからなかった。それでママに聞いた。「どうして、テ
ーブルに座っちゃいけないの」。「それはね、テーブルは座るところじゃないからよ
」と、ママは答えた。「じゃあどうして、イスには座っていいの。おんなじ4本足で
しょ」。「それはね、イスは座る物って決まっているからよ」。なんだかよくわから
なかったけど、ひろちゃんは、一応、だまってうなづいた。
 (3) 居間の蛍光燈が切れた。パパがそれを取り替えることになった。蛍光燈の
下には、ちょうどこたつがあり、パパはこたつのテーブルの上に上り、作業を始めた
。そしてそれを、ひろちゃんが不思議そうに見ていた。まずいと思ったママは、ひろ
ちゃんにこう説明した。「ひろちゃん、パパはね、今、お仕事をしているの。だから
ね、特別に上に乗ってもいいのよ」。ひろちゃんは、すなおにうなづいた。
 (4)? ママが居間に入ると、ひろちゃんが、こたつのテーブルの上にすわって
いた。そして、みかんを食べていた。ママガしかると、ひろちゃんは、こう反論した
。「ひろちゃんは今、みかんを食べるお仕事をしているの」。

       ひろちゃんにおける、第1次反抗期の庶言動
 (1) ひろちゃんの家に、西本のおばさん夫婦が遊びに来た。ひさしぶりにあっ
た姉妹は、仲良くショッピングに出かけた。そして、おじさんがひろちゃんと共にお
留守番。最初、ひろちゃんは、ひさしぶりにあう西本のおじさんに、固まった状態だ
ったが、おじさんは、自動相談庶の職員である。子どもの目線になった上で、やさし
くひろちゃんに話しかけ、紙風船を追ったり、神飛行機を作って飛ばしたりして、す
ぐにひろちゃんの心を捉えた。
 (2) 積み木で遊んでいたひろちゃんが、突然、「おじちゃん、ひろちゃんに遊
んでって言って」と言い出した。その瞬間、おじさんの自動相談職員としての直感が
走る。「これは、ひろちゃんは、なんらかの目的を持って、私にお願いしているに違
いない。いったいそれはなんなのか」。おじさんは来たいを持ってひろちゃんに「ひ
ろちゃん、遊んで」と言う。するとひろちゃんは、元気良く「いーや」と答えた。「
こっっこれは・・・・・第1次反抗期」。第1次反抗期とは、幼児が自我に目覚める
時期に見られる行動のことで、たとえば、キャッチボールにたとえると、投げたボー
ルを受け取るという、受動的な行動しか出来なかったのが、それを能動的に投げ返す
ことができるようになることである。ただ、その方向付けができずに反抗という形で
現れる。それが第1次反抗期である。ひろちゃんは、見をもってそれをおじさんに見
せてくれた。ひろちゃんはまた、「もう1回、遊んでって言って。」とお願いする。
もう一度感動したいおじさんはひろちゃんの言うとおりにする。
(3) 突然、ひろちゃんは、ベッドに登った。そして、ジャンプしし始めた。あぶ
ないと思ったおじさんは、やめるようにひろちゃんをさとした。すると「でも…ばあ
ちゃんはいいっっていってた」とひろちゃんが答えた。こ・これは!おじさんはまた
も感動した。この3歳児はなんと、事情を説明し、私を説得しようとしているのだ。
このままさとすのではなく、おばあさんに事情聴取したうえで判断しなければ。それ
で、ちょっと隣に用事に出かけた、おばあさんが帰ってくるまで、ひとまず中止とい
う妥協案を出す。そして、おばあさんに確認すると、だれかがいる時という条件つき
ながら、ベッドの上でのジャンプは認められていたことがわかった。自分を説得した
、このひろちゃんの発言に、おじさんはさらに感動してしまった。
 (4) 夜は、みんなで、行き付けの焼肉屋で晩御飯。西本のおじさんは「うまい
、うまい」と言って焼肉をたべていた。すると突然ひろちゃんが「うまいじゃない、
おいしい」とおじさんを注意した。「これは…注意の転送」。すなわち、過去、自分
が注意された事項を、だれかれ関係なく、転送するような形式で、他人を注意する。
これは、親に注意された事項に違いない。またの、ひろちゃんの、心を揺さぶる発言
に、児童相談所の職員は、酒の勢いもてつだって、幼児の発達心理学の熱弁を始めた
。他の大人たちは、訳のわからないまま、「うん、うん。」と相槌をうった。それに
おかまいなく、ひろちゃんは、無心にお肉をたべていた。

ーーー 四コマ物語 説明

四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?