如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。スポーツ四コマ〜サッカーはサイコその1 3作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の3作品です。

スポーツ4コマ〜サッカーはサイコ
如月文実
 この四コマ物語は、各種スポーツで、ないそでありそな、ありそでないそなことを
、四コマ物語風に表現した作品です。
 そして、今回は、そのサッカー編です。

天才プレーヤー
 (1) 契約をすませ、透のJリーグ入りが正式に決まった。高校を卒業したこの
春からは、憧れのJリーガーとしてプレーすることになる。透は高校サッカーの世界
では、天才プレーヤーとしてその名をとどろかせ、数々の記録と実績を積み重ねてい
た。マスコミ各社は天才プレーヤーのJリーグ入りを、ハデに取り上げはやしたてた
。透にも、Jリーグで天才プレーヤーとしてやっていく自信はあった。だがその反面
、もしプロとして通用しなかったらどうしようという不安も少しあった。
 (2) 「ゴール」。透の放ったシュートがあざやかに敵のゴールを割った。これ
で開幕から4試合連続の得点である。透の大活躍に、マスコミは「ニューヒーローの
誕生」と天才プレーヤーを大きく持ち上げた。透も、天才プレーヤーとして大きく舞
い上がっていた。これまでの4試合、自チームのエースストライカーは、いくらボー
ルをパスされても敵ディフェンダーがことごとくシュートを阻止し、まだ1点しか得
点をあげていない。これに対し、自分にボールがパスされた時には、敵ディフェンダ
ーなどもろともせずシュートし、4得点をあげている。得点王争いでも、数ある有名
プレーヤーを抑えトップに立っている。これだけの活躍ができるのも、自分が天才プ
レーヤーであるからに違いない。透はそう自覚していた。透の心の中は自信で満ち溢
れており、少しの不安もなかった。
 (3) 開幕から8試合目、透は今日も得点することができなかった。いやそれど
ころか、5試合目からここまで、まともにシュートさえ打てないでいる。4試合目ま
では、ものともしていなかった敵ディフェンダーも、5試合目に入ってからは、パス
されたボールをことごとくカットされていた。そしてあれだけ大はしゃぎしていたマ
スコミも、「マークされれば、高卒あがりのただの人」と評価を下げていた。そうだ
、そうなのだ。これまで活躍できたのは、自分が天才プレーヤーだからではなく、相
手が「ひよっこ」と軽視していたからなのだ。自分が敵ディフェンダーをものともし
ていなかったのではなく、敵ディフェンダーが、自分をものの数とも思っていなかっ
たのだ。それを証拠に、マークされてからこっちパスされたボールはいとも簡単に敵
ディフェンダーに奪われている。これに対し、自チームのエースストライカーは、あ
れだけマークされながらも、ここまで3得点をあげている。透は、自分が天才プレー
ヤーと思っていたことが、単なる自分のうぬぼれであることに気がついた。自分は三
流ではないにしろ、一流のプレーヤーではないことを自覚した。透は悔しくて悔しく
てたまらなかった。不安で不安で仕方がなかった。そしてそれを忘れるため、日夜練
習に打ち込んだ。 
 (4) 「ゴール」。Jリーグ後半戦第1試合、透は豪快にハットトリックを決め
、チームを勝利に導いた。この活躍に、マスコミは再び「天才プレーヤーの復活」と
透をはやしたてた。だが、透は、もうマスコミ
の言葉に踊らされることはなかった。これは、ひとえに練習の成果であることを自覚
していた。透は悟っていた。天才プレーヤーとは、自分の才能にうぬぼれることなく
、地道に練習する選手だということを。

 攻めと守り
 (1) キックオフの笛が鳴る。と同時に、ボールが宙に舞い、両方の選手が入り
乱れて、ボールを追う。めざすは敵ゴール。選手はみな、攻めの気持ちでボールを追
い、捕らえたボールはみな、敵のゴールへ向かう。相手チームも敵のゴールをめざす
ため、奪われたボールを奪い返そうとする。そこには、自分のゴールを守ろうと言う
気持ちはほとんどない。フィールドは、攻めと攻めの気持ちだけがぶつかりあった。
 (2) 後半戦開始そうそう、Aチームが先取点を奪った。そしてその瞬間、Aチ
ームの選手たちの心は、攻めも守りもない「やった!」と言う気持ちだけになった。
一方、αチームの選手たちは「しまった!」と言う気持ちだけになった。そして、試
合再開の笛が鳴ると同時に、Aチームの選手の心には、「この1点で勝てる」と言う
気持ちが現れ、それが、守りの気持ちに移行していった。一方、αチームの選手の心
には、「このままでは負けてしまう」と言う気持ちが現れ、それが、強い攻めの気持
ちに移行していった。
 (3) この後、フィールドでは、守りと攻めの気持ちがぶつかり合い、しばらく
、一進一退の状態が続いていたが、守りの気持ちだけでは得点することはできない。
そして、試合終了まぎわ、αチームは、ついに同点に追い付く。
 (4) その瞬間、Aチームの選手たちの心は、攻めも守りもない「しまった!」
と言う気持ちだけになった。一方、αチームの選手たちは「やった!」と言う気持ち
だけになった。そして、試合再開の笛が鳴ると同時に、Aチームの選手の心には、「
ぜったいに負けるものか!」と言う気持ちが現れた。一方、αチームの選手の心には
、「ぜったいに勝つ!と言う気持ちが現れた。そして、負けるものかと言う気持ちの
浦に勝つと言う気持ちが、勝つと言う気持ちの浦に負けるものかと言う気持ちが宿り
、双方共に、攻守バランスのとれた気持ちで戦うことになる。そして結局試合は引き
分けに終った。

 エースのプライド
 (1) 今回のワールドカップ勝戦は、史上に残る大接戦を繰り広げていた。今
大会ナンバー1のエースストライカーをようする、シューター国と、同じく、今大会
ナンバー1のゴールキーパーをようする、セーバー国が、それぞれの持ち味をいかし
、一進一退の攻防を続けていた。試合は、1対1のまま、延長線へと縺れこんだ。
 (2) そして、延長線終了まぎわ、シューター国は、決定的なチャンスを向かえ
た。絶妙のパスが、エースストライカーに届き、正面には、キーパーだけの、1対1
となった。エースストライカーはエースのプライドにかけ、ゴールの右角にシュート
!と思いきや、この今大会ナンバー1のエースストライカーが、こともあろうに、ミ
スキック。ゴール右角に強烈なシュートを打つどころか、キーパーの正面に、力もス
ピードもない、ヘナチョコシュートがゴールに流れた。
 (3) ところが、こんなミスキックが、キーパーの股間を抜き、ゴールとなった
のだ。今大会ナンバー1のゴールキーパーは、相手の足の動きを見て、予めコースを
読んでいた。ところが、そのシュートが、取ってくださいと言わんばかりのヘナチョ
コシュートが真正面にきたのだからびっくりぎょうてん。一瞬金縛り状態となった。
しかしそれでも、ヘナチョコボールだから、取ろうと思えば取れた。しかし、こんな
幼稚園児向けのヘナチョコボールに触ることは、今大会ナンバー1のゴールキーパー
としてのプライドが許さなかった。
 (4) そして、試合後の評論家の解説はこうだった。

 「さすがに、今大会ナンバー1のエースストライカー。強烈なシュートを打つと見
せかけ、足の側面でボールをけり、コースとタイミングを外した。そして、キーパー
の意表をつき、正面をねらって股関を抜くとは。真にクレバーで、超芸術的なシュー
トだった」。

ーーー 四コマ物語 説明

四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?