如月 文実(きさらぎ ふみじつ)です。スポーツ四コマその1 2作品を投稿いたします。

 わが、四コマ物語ワールドにようこそ。作家としての人格、如月 文実(きさらぎ
 ふみじつ)です。
 今回の四コマ物語は、以下の2作品です。

スポーツ4コマ
如月文実
 この四コマ物語は、各種スポーツで、ないそでありそな、ありそでないそなことを
、四コマ物語風に表現した作品です。

 いきがぬけない
 (1) 冬のオリンピック、フィギュアスケートの協議が始まった。自分の番が近
付くにつれ、蝶子の緊張はドンドン高まっていった。それには勿論、オリンピックで
演技をすると言う緊張もあるが、それだけではない。蝶子は、この晴舞台で一つの決
心をしていた。それは、フィギュアスケート最高の技、トリプルアクセルを成功させ
ることだった。実は蝶子のトリプルアクセルは、まだ完成したばかりで、このような
大きな大会ではまだ演技をしたこともなかった。しかしどうしても、4年に1度しか
ないオリンピックで、演技をしたいと決意していた。まさに息の抜けない緊張が、蝶
子の体中を舞っていた。
 (2) 今回の緊張度は、これまでにない最高のものである。そのためか、蝶子の
体に、これまでにはない異変がおこった。演技直前になっておならがしたくなったの
だ。しかし、音が響きやすいスケートリンクの会場で、ブッとやれば、審査員の印象
を悪くし、客席からは笑いの嵐がおこるだろう。ここはグッとがまんするしかない。
今度は、蝶子のおしりの方に生きを抜いてはならないと言う緊張が走る。
 (3) そして蝶子の演技が始まった。意外なことに、おならの方にばかり気が行
っていたので、結果的に演技の方は自然体で行うことができた。演技は、ミスするこ
ともなく順調に進んでいった。 
 (4) そしていよいよ蝶子は、トリプルアクセルの体制に入った。一瞬の内に蝶
子の緊張は演技に注がれる。と同時に、おしりの方に向けていた緊張感が抜け、ジャ
ンプと共にブッ!ガ…。この噴射の力が加わったおかげだろうか、トリプルアクセル
は見事に成功した。会場からはわれんばかりの拍手と、歓声と、笑いがおこった。

 くそったれ!
 (1) 夏、日本のある所で、国際交流マラソンが行われた。日本の夏はとても暑
いので、午前9時からのスタートであった。しかしそれでも日差しは強く、気温もど
んどん上がっていった。北の国からきた招待選手には、つらい条件である。しかし、
南の国からきた3人の選手にとってはこんなのへっちゃら…と思いきや、なんだか様
子がおかしい。顔色は悪く、落ち着きがない。でもその原因は夏の日差しではなく、
泊ったホテルにあった。ホテルのなれない冷房に体をすっかり冷やされてしまったの
だ。それに加え、朝食で、日本では水はただだと聞いて、つい何杯も飲んでしまった
。それでみなお腹を壊していたのだ。
 (2) スタートと共に3人は勢いよく飛び出した。足も手も小刻みに動かしスピ
ードを上げ、3人で、トップ集団を作った。「こんな走りじゃ後半もたない」。評論
家は解説する。しかし、ゆっくり、ゆったり走っていたのでは、漏れそうになる。そ
して、走りながら左右に目を配り、用をたす場所を探した。まさに気分はくそったれ

 (3) まだ、1/4も走っていないのに、トップ集団がスパートをかけた。「い
ったいなにを考えているのだ」。評論家は首をかしげた。だが、彼らはついに見つけ
たのだ。今の自分たちにとってのゴールである草むらを。3人は飛び込むようにコー
ス横の草むらに入り、体の中の重石を出す。すると、重石がとれるやいなや、体銃に
スカッとした気分が駆け巡り、筋肉疲労までもすべて除外できたような気になった。
そして、「やるぞ!」という気持ちが爆発し、再びコースにもどった。まさに体も気
分も、くそったれ!
 (4) それから3人は、この間に貫かれた相手を貫きかえし、金・銀・銅に輝い
た。これにたいし、優勝を奇態されていたにもかかわらず、メダルも取れなかった日
本選手は悔しさのあまりこう漏らした。「くそったれ!」。
ーーー 四コマ物語 説明
四コマ物語とは
 (1) 四コマ物語とは、私、如月文実(きさらぎ ふみじつ)が新たに開発した
文学形態(?)です。
 (2) 四コマ物語は、起承転落の4小節からなる小説です。
 (3) 題材は、日常生活のできごと・道端で転がっているような話・スポ−ツ・
社会風刺・おとぎ話・パロディ−などさまざまです。
 (4) みなさんも挑戦してみませんか。そして、001、002と、ネットの中に四コ
マ物語ワールドを作ってみませんか。

 特徴、可能性
 (1) 文が短く、読みやすい・読むのにつらくない。
 (2) その中にもジャンルがいろいろある。
(3) ジャンルの中でもバカバカしいのからシビヤーなものまで、バライティー
にとむ。
 (4) ジャンルがいろいろあり、この先好きなものだけ拾い読みできる。
 (5) ジャンルがいろいろあり、老若男女はばひろく楽しめる。
 (6) 読者自信が自由に新たな四コマ物語のサイトを作ることも可能。
 (7) この形式に当てはめればだれでも簡単に小節が書ける。
 (8) この形式に当てはめて、既存の小説を四コマ物語にすることができる(要
約四コマ)。
 (9) これを元に短編、長編小説を書くことも可能。 
 (10) (4)[落]を組替えることにより小説を改造できる(陰、陽)。
 (11) 将来、俳句、和歌のように、「四コマ物語集」ができるかも?
スポーツ4コマ−喜怒哀楽(4)
如月文実

 この四コマ物語は、スポーツを喜怒哀楽を通して表現した作品です。

 笑い
 ? 今回の冬のオリンピック、じゃんぷ協議に新しいヒ−ロ−が現れた。彼の名は
栄美。オリンピックを前に、彗星のごとく現れた弱冠19債の若者である。インタビ
ュ−の席ではベテラン選手に混じり、そのあどけないマスクにフラッシュが浴びせら
れる。緊張してか、マイクを向けられても、うまく言葉が出ず、照れ笑いを浮かべる
だけだった。
 ? そして オリンピック本番、ノ−マルヒルにて、栄美選手の第1回目のジャン
プはみごとなものだった。K点をはるかに超え、まずまずの位置につけた。自分でも
納得のいくジャンプに栄美選手は含み笑いを浮かべる。しかし第2回目のジャンプで
はみごとな失敗ジャンプで、大きく順位を下げ、納得のいかない結果に終ってしまっ
た。自分の不甲斐なさに、栄美選手は苦笑するしかなかった。
 ? その夜、栄美選手は一人部屋にとじこもり、大好きなまんがを読んだ。まんが
はいずれもギャグまんがで、部屋からは大きな笑い声が漏れ出た。他人はどう思うか
しれないが、それが栄美選手のストレス発散方だった。次の協議に向け、栄美選手は
思い切りバカ笑いをした。 
 ? その成果があり、次のラ−ジヒルでは、栄美選手は最高のジャンプを見せた。
栄美選手は、発のオリンピック出場で、初の金メダルを獲得した。表彰台に立つ栄美
選手の顔からは満面の栄美がこぼれた。


 怒・怒・怒・怒!
 ? 監督はいらいらしていた。ここのところ5連敗でまったくいいところがない。
今日もこ前半5点もリードしていながら、7回の表、2点差まで追いつかれ、なおも
ツーアウト満塁。長蛇が出れば逆転される。だが、今打席に入っているのはピッチャ
ーだ。監督は心の中にくすぶっている怒が収まることを願った。
 ? ベンチにもどってきたとたん、監督の怒りが爆発した。ツーアウト満塁でショ
ートゴロ。チェンジのはずが、一塁悪送球でランナーがみんなホームへ返り、逆転さ
れてしまったのだ。しかも、打ったのがピッチャーだから監督が怒るのも無理もない
。しかし、あたりとしては三遊間を貫けてもおかしくない打球だった。記録もヒット
となっている。言わばワンヒットワンエラーだ。くそ!なんでおれがそこまで怒られ
にゃならんのだ。それもこれも、ピッチャーのくせに打ったあいつが悪い。監督の怒
から発生したショートの怒は、相手ピッチャーに向けられた。
 ? 急遽ベンチからリリーフピッチャーがマウンドに向った。バッターの打った打
球がピッチャーの顔面にヒットし、倒れたのだ。マウンドに立ったリリーフピッチャ
ーは思った。威嚇するため、ピッチャーをにらみつけることはある。だがやつの目は
違う。殺気だっていた。それに類に出た時、やつは笑っていやがった。さては狙って
やがったな。冗談じゃねえ。悪いのはエラーしたてめえじゃねえかくそ!そっちがそ
の気ならこっちも・・・・・。リリーフピッチャーに電信下怒は、次のバッターに向
けられた。
 ? ボールがバッターのヘルメットに炸裂した。とたんに、グラウンド内にくすぶ
っていた怒が一気に爆発し両ベンチに飛び火した。双方のベンチから選手が飛び出し
グラウンド内で乱闘騒ぎとなっていった。そして、グラウンド内の怒はドドドドっと
球状全体を包んだ。、「おれたちは、券かを見に来たんじゃねえ!野球を見に来たん
だ!」と怒りの声が観客から上がった。観客の怒も大爆発となった。


 なみだ
? 世話になったジムの先輩が引退する。先輩は世界チャンピオンを目指していた。
そのために日夜、血の滲むような練習をしていた。しかし、おしいところで、その夢
ははたせなかった。送別会での先輩の顔はとてもなごやかだった。先輩はもう、すべ
てをふっきっていたのだ。「本当は悔しくて悔しくてたまらないはずなのに。」その
先輩の表情が勘一の心を悲しみでいっぱいにさせた。勘一の目からポロポロと涙がこ
ぼれた。
 ? 先輩の意志を継いだ勘一は練習に練習を重ねた。練習は、とてもつらく、厳し
いものだった。誠心的にも肉体的にも激しい苦痛を感じた。勘一はそれを歯をくいし
ばってたえた。しかし、心が苦痛でいっぱいになった時には、勘一の目から涙が滲み
でた。
 ? 世界タイトルマッチに初挑戦した勘一は、チャンピオンとほぼ互角の戦いをし
た。そして結局勝負はつかず、結果は判定に持ち越された。勘一は手応えを充分感じ
ていた。判定で勝てる自信はあった。しかし 結果はドロ−。この場合タイトルの移
動はない。「負けた訳じゃないのに。くそ!」勘一の心は悔しさでいっぱいだった。
勘一の目からボロボロと涙がこぼれた。
 ? 勘一にとって2度目の挑戦となる世界タイトルマッチは、第7ラウンドに、勘
一のカウンタ−パンチが見事にチャンピオンの顔面にヒット。チャンピオンはそのま
まマットに沈んだ。そして立ち上がることはなかった。勘一は先輩と自分の夢だった
世界チャンピオンのベルトを手にした。勘一の心はうれしさでいっぱいだった。勘一
の目から滝のような大粒の涙が流れた。


 楽しむ
? パパ、ママと行く水泳教室はとても楽しいものだった。水の上に体が浮いた。
5M、10M泳げるようになった。そして、ついにプールの端から橋まで泳げるように
なった。記録も、小学校の三・四・五年生と学年が上がるごとに、体が大きくなって
いくとともに、伸びていった。1秒でも2秒でも、記録が伸びるのはリンにとっての
喜びであった。そんな娘の姿を見て、両親も喜んだ。
 ? 中学に入るとその才能が見とめられ、リンは、選手として本格的に泳ぐことと
なった。だがそれが、水泳を楽しいものだけではなくしてしまった。自分はちゃんと
やっているつもりなのに、コーチは、あれこれ文句を言う。思春期に入ったリンには
、それがすなおに受け入れられず、怒りではらわたが煮え繰りかえったことが何度も
あった。しかしそれでも、リンは休まず水泳を続けた。なぜなら、怒りを抑え、練習
をしたその先には、自己新記録という楽しみが待っていたからだ。
 ? リンにとって大変残念な知らせがきた。オリンピックの代表枠からもれてしま
ったのだ。確かに、記録は微妙な線だった。それでも一部のノゾミをもっていたのだ
が残念な結果に終わってしまった。落胆したリンは、いままで自分ががんばってきた
ことが、なんだったのかと自分を責めた。目からはぼろぼろと涙が零れ落ちた。でも
水泳をやめようなんて気持ちは少しもおこらなかった。リンは、プールに飛びこみ、
くたくたになるまで泳いだ。そして、体の中に充満した哀を水の中に流した。プール
から上がった後、幾分体も心も楽になった。
 ? それから4年後、リンはみごとオリンピックの代表選手に選ばれた。結果とし
ては堂々の銅メダルを獲得した。でも、記者会見では、「金メダルをとりたかった。
」とくやしさをあらわにした。だが、その顔は笑っていた。そして、会見の最後、「
この期間楽しく泳げてよかった。」と満足感を現した。リンはわかっていた。喜び、
怒り、哀を受け入れることにより、最後に楽しさが得られることを。

 (12) 将来、四コマ物語の大きなネットができるかも?